こんにちは、塾長の山本です。
今回は僕が受験生だった頃の不合格体験記をお話します。
この記事は僕の個人的な話のオンパレードですので、みなさんの参考になるかわかりませんが
負けに不思議の負けなし
という格言があるように、負けには必ず原因があります。
僕の過去の不合格体験が、いま勉強を頑張る受験生のみなさんに少しでも参考になれば嬉しいです。
受験勉強開始時の状況
僕が受験勉強を開始した時点での状況を簡単に整理しておきます。
といっても、いかんせん10年前の話ですので、模試の結果などは全く残っておらず記憶に頼って記述している部分があります。
受験勉強開始時期
受験年の2月、つまりちょうど受験1年前に勉強を開始しました。
その時の学力
河合塾の模試で偏差値50くらい、ベネッセで55くらいだったと記憶しています。
これより良かったということはなく、若干盛っている可能性があります。
なお、高校は神奈川県の公立高校です。
「みんなの高校情報」というサイトによると、僕の母校は県内で偏差値ランキング40位台でした。偏差値は60~63です。
志望校
日本の文系単科大学の最高峰、一橋大学の社会学部でした。
社会学部を目指した理由は、苦手な数学の配点が一番小さかったからです。
受験科目
センター試験(当時は「共通テスト」ではない)
英語、国語、数学IA、数学IIB、日本史、倫理政経、生物I(当時「理科基礎」ではありませんでした)
二次試験
英語、国語(現古漢)数学IAIIB、日本史
2月~4月は基礎固め
失礼ながら学校の授業は一切聞きませんでした。
僕の高校は東大や一橋の合格者が10年以上いなかったので、学校はあてになりませんでした。
そこで「基礎が大事」という曖昧な言葉に従い、とりあえず参考書学習を進めていくことにしました。
なお、当時はスマホが出始めの頃です。(僕のような田舎の)高校生がスマホを持っているなど考えられませんでした。
インターネット上には受験情報が少なく、信頼できる参考書の情報を集めるのは(当時の僕には)不可能でした。
そこで家から歩いて行ける小さな書店にいき、「基礎っぽいタイトル」の参考書を買ってみました。
何をやればいいのかよくわからないので、とりあえず英語・数学・国語で徹底的に暗記を勉強しました。もともと「同じことを反復しても辛くない」という性格だったので、とにかく同じことを繰り返しました。
実際のところ、この3か月は「ただ基礎をやっていた」というだけなのですが
こ~~れ~~は偏差値65は出るだろ
と思いながら5月の模試に臨むことになります。
5月~7月は模試で死す
5月に河合塾のマーク模試と記述模試があります。浪人生と戦う初めての模試でした。
根拠のない自信をもって臨んだわけですが、試験中に
これは、さすがにやばい
と思いました。解ける解けない以前に、問題の意味もよくわかりませんでした。
余裕で偏差値40台だったはずです。すべての大学がE判定だったことは間違いありません。
この結果を受けて、当時の僕は「基礎も大事だけど、演習もしていかないといけない」と思いました。
そこで5月は「基礎をやる最後の期間」と銘打って、基礎を仕上げようと努めました。
6月から英語は『英文解釈の技術100』、数学は『基礎問題精講IAとIIB』、国語は『現代文のアクセス(たぶん基礎編)』を進めました。
これらの参考書を選んだ理由は、単に近くの書店にあってレイアウトが好きだったからです。それ以上の理由はありませんでした。
英文解釈が終わった後は、英語長文の「やっておきたい500」と「やっておきたい700」をやりました。正直、難しくて最後までやりきった記憶はありません。
なお、この時点で日本史・倫理政経・生物Iはまったくやっておりません。
この無計画性については、本当に意味が分かりません。日本史は2次試験科目なので、やらない意味が全く分かりません。
8月~10月に決定的な失敗
7月末、8月と模試がありました。これも完全に、すべてE判定でした。偏差値は正確には覚えていませんが50くらいでしょうか。
そして、この時期に受験期最大のミスを犯します。ここはみなさんに参考にしていただきたいです。
当時の僕は夏休みを前に
よ~し、完璧な勉強法と完璧な計画を決めるぞ!
と意気込み、10日間ほど勉強法の調査と勉強計画の立案にすべてをつぎ込みました。これが最大のミスでした。理由は3つあります。
①完璧な勉強法、計画など存在しない
②計画を立てても、結果的に1週間で挫折した(計画を立てている時が一番やる気)
③その10日間で貴重な勉強時間を失った
とくに③は今思うと本当にもったいなかったと思います。というのも、その時間で社会と理科に手をつけるべきだったからです。
なお、当時の僕はそれなりに利口で、8月末頃には「これ、絶対に間に合わないな」と察していました。この時点でもう一橋合格には暗雲が立ち込めていたと思います。すでに雷雨だったかもしれません。
そして、この時期にもう一つのミスに気が付きます。8月に初めて一橋大学の過去問を解いたのですが
想像の100000倍難しかったです
特に数学と日本史は日本最高峰の難易度とされていて、おそらく1点も取れていなかったと思います。
そこで9月、10月は数学と日本史に全身全霊を捧げました。結果的に、これも大失敗になります。
というのも、僕は英語と国語が比較的得意でした。いま思えばこの2教科を磨けばよかったと思うのですが「苦手を潰した方がいい」というそれらしい理由で、配点の低い数学に時間をかけたのは完全に失敗でした。
このように、貴重な時間をあまりに無策で場当たり的な勉強に費やしてしまいました。いま振り返れば、この時点で一橋合格はほとんど不可能になっていました。
11月~12月は第一志望から逃げる
11月になると、受験が近づいてくるプレッシャーもあり、ビビっていました。
具体的には「何校も受けれる私立で勝負した方がいいんじゃないか?」と思い始めました。
ただ、当時の僕は「俺は一橋大学にいく、だから学校の授業は聞かない」という強硬外交でしたので、いまさら「やっぱ私立に…」とは高校生の僕には言えませんでした。
そうした葛藤が、中途半端な勉強につながりました。11月~12月は(一橋合格に向けては)本当に何の意味もない勉強をしてしまったと思います。
配点が低いのに、センター試験の勉強を謎に頑張ってしまったり、併願校の私立大学の問題を解いてしまったりしました。
結局、8月以降の無策で場当たり的な姿勢はまったく矯正されることなく、最後のセンタープレテストを迎えます。
これは今でもハッキリと覚えていますが、9科目合計で610点/900点(本番なら足切りです)でした。
特意な英語ではなぜか6割くらいしか取れませんでした。家までの帰り道で涙が出てきました。
そしてこの悔しさは(配点が低いにも関わらず)「センター試験対策を頑張る」という最低な方向に僕を導いてくれました(一橋大学はセンター試験が180点、2次試験が820点の配点です)
結果的に、日本最高峰の難易度を誇る2次試験への対策はほとんどせず、センター試験本番を迎えます。
センター試験は大成功
センタープレ試験で悔しい思いをして以降、全力でセンター試験対策をした結果、当日は成功に終わります。
英語:197点/200点
国語:145点/200点
数学:169点/200点
※IA:100点、IIB:69点
日本史:98点/100点
倫理政経:98点/100点
生物I:100点/100点
総合点:807点/900点(89.7%)
しかし、だから、何?という感じです。センター試験比率はわずか18%の大学です。ほとんど意味がありません。
センター試験後、当然2次試験対策をめちゃくちゃに頑張りました。一日15時間はやっていたと思います。
2月本番は大炎上
しかし、1か月で出来るようになるほど甘くないのが受験です。
結果的に、一橋大学の本番では
まっっったく、できませんでした
冗談抜きで、最下位だったんじゃないか?と今でも思っています。
結論
最終的には運よく慶応義塾大学商学部に合格し、進学を選択しました。
浪人も考えましたが「これ、あと一年やっても一橋には受からないだろ」と思い、やめました。
それくらい解けなかったということです。普通に心が折れてました。
とにかく「無策で場当たり的」で、その場の感情に流されて勉強したことが最大の敗因です
しかし、当時の僕を強く責めることができない気持ちもあります。
というのも、身近に頼る人がおらず、完全に独学でやらざるを得ない状況だったからです。
もしあの時「適切なアドバイスをもらうことができれば」と今でも思います。
僕たちが志望校に合格するためには
①自分に合う教材を選択すること
②それをしっかり定着させること
③過去問演習で本番をシミュレーションすること
本当にこの3つだけです。
しかし、この3つについては信頼できる人からのアドバイスが絶対に必要と僕は自分の経験から痛感しました。
そしてここまでの失敗体験が「宅浪のお医者さん」を僕が創業した理由です。
周りに信頼できる人がいなくても「正しい努力をしてほしい」という理由で独学の技術というサービスも作りました。詳しくはこちら
僕のような失敗をする人が一人でも減ることを願って、これからも淡々と指導をさせていただきます。
以上で僕の不合格体験記を終わりにします。
※この大失敗の10年後、僕は東大受験に挑むことになります。



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